2011年春の新卒者採用計画について、朝日新聞社が主要100社を対象に実施した調査で、採用予定数を10年並みと回答した企業が48社にのぼることが分かった。大学生の内定率(2月時点)が比較できる00年以降で最低となった10年卒と同様に雇用情勢は低水準で推移するとみられ、厳しい就職戦線が予想される。
調査は2月下旬から3月下旬にかけ、各業界の代表的な企業を対象に実施した(確定日は同月25日)。11年春の採用予定数は「増やす」が15社(前年6社)、「前年並み」が48社(同37社)、「減らす」が21社(同44社)、「未定」が16社(同13社)だった。
採用増の企業は増えたものの、景気の先行きの不透明感から「前年並み」が約半数と最多を占めた。金属、製造、商社などが特に多く、未定の16社も含めると、積極採用まで踏み切れない企業側の慎重な姿勢がうかがえる。
採用増は、ここ5年間で最低だった前年(6社)から2倍以上となり、電機、証券など一部の企業で回復傾向にある。
しかし、前年実績から3倍の300人に増やすNECは「前年が少なかった。雇用回復に向けて情報や通信、海外事業を強化する」と回答。「前年は過去にないほど抑制した。ようやく景気が底を打ったので、これから増やしたい」(積水ハウス)など、ほとんどが前年の抑えた分を回復しようとする動きにとどまっている。
採用増の理由は「業績が回復してきたことに加え、団塊世代の退職が進むため」(旭化成グループ)、「アジアや新興国関連のビジネス拡大のため」(大和証券グループ)などだった。
一方、採用減は自動車や流通業で目立った。リコール問題で揺れるトヨタ自動車は「先行き不透明な中、スリムで活力ある組織を目指す」として、前年の1376人から1200人に絞り込む。短大卒、専門学校卒などの業務職(一般職)の採用見送りも予定している。ホンダも880人から590人にする見込みだ。日産は「未定」。
また、個人消費の低迷を受け、イトーヨーカ堂、高島屋グループ、セブン―イレブン・ジャパン、ローソンでは採用数を約3割から4割減らす。
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