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ヨナに雪辱!真央SP2位から逆転「金」…世界フィギュア

 ◆フィギュアスケート世界選手権最終日(27日・トリノ)【トリノ(イタリア)27日】女子フリーを行い、ショートプログラム(SP)2位でバンクーバー五輪銀メダルの浅田真央(19)=中京大=は2つ目のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)が回転不足を取られたが、合計197・58点で優勝を果たした。08年イエーテボリ大会に続く2回目の優勝で、男子の高橋大輔(24)=関大大学院=と日本初のアベック制覇。SP7位と出遅れた五輪女王の金妍兒(キム・ヨナ、19)=韓国=は合計190・79点で2位だった。

 新女王の誕生だ。演技を終えた真央は完全燃焼の笑顔を浮かべた。ライバルの金にフリー得点では劣ったが、08年12月のGPファイナル以来の勝利で、世界女王の座を2季ぶりに奪還した。

 「五輪よりもいい演技ができた。ほぼパーフェクトの演技ができたことがうれしい。前半はジャンプに集中し、後半は力強さをステップに込めるようにした。全部出し切ったので悔いはない」。真央スマイルがはじけた。

 前日のSPは3回転半で回転不足を取られたが、金を7・78点上回る2位。ラフマニノフの前奏曲「鐘」に乗せたフリーは、大技の3回転半を2回組み込む最高難度のプログラムだ。最初に単発で跳んだ3回転半は成功。次に2回転との連続ジャンプで跳んだ3回転半は回転不足を取られたが、残りの演技をミスなく滑りきった。

 金に23・06点差で敗れた五輪から約1か月。帰国後は気が抜けたが、自宅で年明けに書いた「世界選手権優勝」の紙は目のつく場所に飾っておいた。地元・愛知の中京大リンクでは日本より8時間遅いトリノの競技時間を意識し、日付をまたぐ深夜に練習。五輪後に約2キロ増えた体重も絞り、高橋大輔の日本男子初優勝にも刺激を受けた。

 激動のシーズンだった。序盤は3回転半の失敗が続き、シニアで初めてGPファイナル出場を逃した。スランプに涙を流した日もあるが、昨年末の全日本選手権で復活優勝。五輪ではSPとフリーで計3回の3回転半を成功させる女子初の快挙を達成したが、銀メダルに終わり悔し涙に暮れた。

 今季限りで引退説が流れる金とは最後の対決になる可能性もあるが、シニアの対戦成績は4勝6敗とした。今後は14年ソチ五輪を目指し、3回転半―3回転の高難度連続ジャンプの習得や4回転挑戦など夢は膨らむ。4年後の金メダルへ、世界の頂点から真央が新たなスタートを切る。





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